情報過多の現在、日本一アウトプットする精神科医は、
短い時間で何をどのように学ぶのか。
多くの読者から寄せられたこの問いに対し、
読書法・学習法・記憶術・会話術・情報収集など、
脳科学に裏付けられた80のインプット術を紹介。
【はじめに】
「情報爆発時代」に必須のインプット革新
私たちは1日の中で、かなりの時間をインプットに費やしています。電車の中で多くの人がスマホを見ていますが、笑顔の方は滅多におらず、みなさん疲れた表情をしています。ある調査によると、全スマホユーザーの33%が「スマホ疲れ」に陥っています。
インターネット上のデジタル情報は、20年前と比べて5,000倍に増えているといわれています。これからも私たちが接触する情報は、猛烈な速度で増え続けることは確実で、「情報爆発」の時代に突入しています。
つまり、従来型のインプット術をしていては、時間も手間もかかり過ぎる。それが「スマホ疲れ」「情報疲れ」の原因です。今インプット革新をできる人だけが、AI時代情報化社会の勝者となれるのです。
「日本一アウトプットする精神科医」のインプット術
私は精神科医の樺沢紫苑と申します。「日本一アウトプットする精神科医」といわれる私のアウトプットの一部を紹介しましょう。
メルマガ 毎日発行 14年
Facebook 毎日更新 9年
YouTube 毎日更新 6年
毎日3時間以上の執筆 12年
年2〜3冊の出版 11年連続
新作セミナー 毎月2回以上 10年連続
そんな私のアウトプットを支えているのが、以下のインプットです。
読書(スキマ時間のみ) 20〜30冊/月
スマホ使用時間 30分以下/日
ネットからの情報収集 15〜20分/日
実はインプットにはほとんど時間をかけていないのに、年3冊執筆する本のネタや毎日更新するYouTubeやメルマガのネタ、最新の脳科学情報などを効率よく収集し、周りからは「最新情報にものすごく詳しい人」といわれます。
それは、最短時間で最大効率のインプット術を行っているからです。
2018年8月に発売した拙著『学びを結果に変える アウトプット大全』は、40万部を超える大ベストセラーとなりました(2019年8月現在)。
多くの人に、アウトプットの重要性が浸透しましたが、実はインプットとアウトプットは表裏一体であり、車の両輪のような関係です。
私が数万時間を越える経験・検証をもとに確立した、圧倒的に結果が出る「アウトプット力を高めるためのインプット術」。そのすべてを紹介していきます。
ぜひ本書を読んで、あなたの自己成長を加速していただきたいと思います。
【本書の内容を一部紹介】
「適切な質問ができる人」を目指す
私のセミナーでは、最後の10分を「質疑応答」にしています。
多くの人は、「質問がない」ということを「理解している」と同義ととらえるかもしれませんが、実は逆です。話を聞いていない、理解0%の人は質問ができません。
「質問ができる」ということは、人の話を聞いて、自分は何がわかっていて、何がわからないかを知っている状態です。つまり、理解度が高くないと適切な質問はできません。
また、「質問できる人」は「質問」によって自分の疑問、あいまいな部分を瞬時に解消、解決することができます。つまり、質問した瞬間に自己成長します。
そのために必要なことは、「質問を前提に話を聞く」ことです。話を聞きながら、ノートの余白に、「疑問」「質問」を瞬時に書き留めていけば、それができるようになります。
疑問、質問を書き留めるだけで、「わからない部分はどこ?」というアンテナが立つので、話に対して集中力や注意力が高まり、理解が圧倒的に深まります。
インプットの基礎となる「読書」。
速読、多読など「速く多く読むこと」を求める人がたくさんいますが、実は、大切なのは「量」より「質」。
やみくもにたくさん読むより、気づきが得られる“ホームラン本"だけを深く読み込んだほうが、自己成長は遥かに大きいのです。
『学び効率が最大化するインプット大全』著者で読書家でもある私が、自信を持っておすすめできる“ホームラン本"を12冊、厳選しました。
私に絶大な影響を与えた本も含まれています。
ぜひあなたの本選びの参考にしてください。
精神科医・樺沢紫苑
(1)アウトプット術(仕事術)
■『「知」のソフトウェア』
(立花隆著、講談社)
立花隆氏の知的生産を高める方法を語った古典にして名著。インプット全盛時代に、アウトプットの重要性が、しっかりと語られている。この本を通して、アウトプットとインプットの重要性を初めて学んだ。いうなれば、『アウトプット大全』の原点である。
(2)インプット術(勉強法)
■『脳が認める勉強法--「学習の科学」が明かす驚きの真実!』
(ベネディクト・キャリー著、ダイヤモンド社)
最新研究に基づく脳科学的に正しい「勉強法」が多数紹介されている。具体的な勉強法、TO DOだけ知りたい人は、巻末の「学習効果を高める11のQ&A」を見れば、本書のポイントが一瞬で理解できる。勉強法に関する脳科学本の決定版!
(3)文章術
■『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける87の法則』
(山口拓朗著、明日香出版社)
小難しい文章術の本は山ほど出ているが、わかりやすい文章術といえば山口拓郎氏である。文章術をシンプルな「法則」へと「ルール化」して、文章が苦手な人にも一瞬で理解、実践しやすいノウハウとしてまとめている。文章が下手な人に、即効性のある1冊。
(4)健康
■『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』
(ジョン J. レイティ、エリック・ヘイガーマン著)
運動すると頭がよくなる! さらに、記憶力、集中力、創造性、気分、ストレス耐性などが、改善される! 運動の重要性、そしてどのような運動がいいのかが、圧倒的な科学的な根拠とともに解説されている。読むと、無性に運動したくなる1冊。
(5)睡眠
■『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』
(ショーン・スティーブンソン著、ダイヤモンド社)
睡眠の理論や仕組みよりも、最高の睡眠を得るための具体的なノウハウを知りたい人におすすめの1冊。食事、サプリ、ベッド、寝る姿勢、パジャマに至るまでの21の科学的睡眠メソッド。ぜひひとつずつ実行していただきたい。私も、本書の方法をかなり取り入れた。
(6)メンタル
■『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』
(モカ、高野真吾著、光文社)
「死にたい」と悩んでいる人は多いはず。そんな人に、精神科医の説教めいたアドバイスはまったく響かないけれど、実際に悩み、苦しみ、絶望し、「うつ」に陥り、マンション12階から飛び降りたモカさんの言葉なら響くかもしれない。
(7)心理学
■『世界の心理学50の名著 (LIBERAL ARTS COLLEGE)』
(T・バトラー=ボードン著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
フロイト、ユング、アドラー、エリクソン、ロジャース。そうそうたる心理学者の、難解な古典が、それぞれたったの10ページで要約され、5分で読み終わる。最近の心理学者も含まれていて網羅的。いろいろな心理学を幅広く学びたい人にはおすすめの1冊。
(8)脳科学
■『脳からストレスを消す技術』
(有田秀穂著、サンマーク出版)
日本のセロトニン研究の有田秀穂氏のセロトニンについての決定版。セロトニンを出しストレスを消す方法と、その脳科学的なメカニズムがバランスよく学べる。疲れ気味の方、朝に弱い人、ストレスが多い人におすすめ。
(9)コミュニケーション
■『なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか』
(高草木陽光著、左右社)
夫婦問題カウンセラーが教える、夫と妻の考え方の違い。これを知っているだけで、夫婦喧嘩の危険性を相当に下げることができるし、夫婦円満になれるはず。夫婦関係に問題を抱える人に限らず、うまくいっている夫婦も読むとさらに関係がよくなるだろう。
(10)教育、子育て
■『家でできる「自信が持てる子」の育て方』
(沼田晶弘著、あさ出版)
アクティブ・ラーニングの先駆者であり現役小学校教師のぬまっち先生。ちょっとした声がけで、子供たちが自分から勉強し、物ごとに夢中に取り組み、やり抜く力を身につけていく。声かけの実例がとてもリアルで、読んだその日から実践できる子育て本。
(11)遊び
■『大人はもっと遊びなさい 仕事と人生を変えるオフタイムの過ごし方』
(成毛眞著、PHP研究所)
日本人は仕事一辺倒で、「遊び方」というものを知らない。「遊び」こそが、発想力や想像力の源になるというのに。「遊び」を楽しみ、「遊び」を通して人生を豊かにする。「遊び」について、さまざまなアプローチでその方法と楽しさを教えてくれる指南書。
(12)小説
■『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
(フィリップ・K・ディック著、早川書房)
AI(ロボット)の問題を、40年以上前に見事に予見たSF小説の金字塔。本作は映画『ブレードランナー』の原作として知られるが、ストーリーは映画とかなり異なり、ラストシーンもブラック。AI時代の今、再読することで、本作の本当のすごさがわかる。
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